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※沖縄県/離島宛の場合は送料(824円)袖元に添えるさりげない意匠。
それは、過度な自己主張ではなく、確かな教養と美意識の証。
世界中で、知性と洗練を大切にする人々が、静かに物語るもの──それがカフスです。
当店では、世界中から厳選したさまざまなブランドのカフスを取り揃えています。 しかし、「カフスとは何か」「どうやって使うのか」とカフスについて詳しく知る機会は、意外と少ないものです。
カフスは、名前を耳にしたことがあっても、実際に手に取ったり、使用したりする機会は限られています。 日本でも、かつてはビジネススタイルやフォーマルな場面で自然に取り入れられていましたが、現代ではその魅力や役割について、改めて知る機会が少なくなっているのが実情です。
なお、カフスは「カフスボタン」や「カフリンクス」あるいは「カウスボタン」とも呼ばれることがありますが、本ページでは「カフス」という呼び方に統一してご紹介していきます。
そもそもカフスは、単なるシャツの留め具ではありません。 身に着ける人の個性や美意識をさりげなく伝え、スーツスタイルに奥行きと品格をもたらす、洗練されたアクセサリーです。
このページでは、カフスの歴史や種類、使い方の基本から、初心者の方にもわかりやすい装着方法までを、写真付きで詳しくご紹介します。 カフスを知り、使いこなすことで、あなたの装いはさらに洗練されたものへと進化していくはずです。
カフスとは、シャツの袖元を留めるために使われるアクセサリーのことです。 本来、カフ(cuff=袖口)を留める(link=つなぐ)ための実用品として生まれましたが、現在では機能面だけでなく、装いに個性や品格を添える重要なアイテムとされています。
カフスは、ビジネスやフォーマルを問わず、身に着ける人のスタイルに上質なアクセントを加える存在です。 特に、フォーマルな場面や、伝統を重んじる一部のビジネスシーンにおいては、その格式や洗練された印象を際立たせる役割を果たしています。 一方で、一般的なビジネススタイルでは意識される機会が減少しており、だからこそカフスを取り入れることで、周囲と一線を画す洗練された装いを演出することができます。
小さなアイテムでありながら、手元にさりげない華やかさと知性を添える、それがカフスの持つ力です。
カフスの起源は、17世紀初頭のフランスにさかのぼります。 当時、男性のシャツの袖元は、リボンやレースで結ぶのが一般的でしたが、これに代わるものとして、金や銀で作られたボタンを鎖でつなぐスタイルが登場しました。これが、現在のカフスの原型とされています。
特にルイ14世の時代には、王の衣装を担当する「クラヴァティエ(cravatier)」が、毎朝リボンやカフスを選定するなど、カフスは王侯貴族の装いに欠かせないアイテムとなりました。
18世紀に入ると、カフスはさらに洗練され、エナメル装飾や宝石をあしらった豪華なデザインが流行。持ち主の家紋やイニシャルを刻むことで、身分や個性を示すアクセサリーとしての役割も果たしていました。
19世紀後半には、産業革命によってカフスの大量生産が可能となり、上流階級だけでなく広く一般にも普及。イギリスのエドワード7世が愛用したことでも知られ、ファッションアイテムとしての地位を確立していきます。
20世紀に入ると、カフスはアール・デコやモダニズムの影響を受け、デザインの多様化が進みました。 1970年代には一時人気が低迷しましたが、1990年代以降、再び注目を集めるようになり、 現在では、フォーマルな場面や、伝統を重んじるビジネスシーンを中心に、洗練された装いを完成させるアイテムとして位置づけられています。 一方で、日常のビジネススタイルやカジュアルな場面では必須とはされず、個性を楽しむスタイルとして自由に取り入れる動きも少しずつ広がりつつあります。
カフスには、留め具の構造やデザインによってさまざまな種類があります。 使いやすさ、スタイル、印象の違いによって選び方も変わってきます。 ここでは代表的なタイプと、それぞれの特徴をご紹介します。
カフスの形式として、もっとも一般的に見かけるのはスウィヴル式です。 実際、着脱がスムーズで、安定感にも優れているため、日常使いからフォーマルまで幅広く対応できる利便性があります。
一方で、固定式やチェーン式、紐式といったタイプの場合は、シャツとの相性に注意が必要です。
シャツのボタンホールはメーカーや仕立てによって大きさや縫製が微妙に異なるため、留め具のサイズによっては通しにくかったり、無理に押し込むとホールを傷めてしまうリスクもあります。
特に、ダブルカフス仕様のシャツの場合は、生地が二重になるため厚みが増し、留め具の長さが足りないと装着そのものが難しくなることもあります。 また、チェーン式や紐式は留め具に柔軟性がある一方で、装着に少しコツが必要な場合もあります。
ご購入をご検討の際には、シャツのボタンホールの大きさ、生地の厚み、カフスの留め具構造をあらかじめ確認いただくと、より快適にお使いいただけます。
留め具の形式によって、カフスの印象も使いやすさも大きく変わります。 初めてカフスを使う方には、着脱がしやすいスウィヴル式(特にホエールテイル型)が扱いやすくおすすめです。 より個性を求めるなら、チェーン式やラップアラウンド式など、趣の異なるデザインに挑戦してみるのも良いでしょう。
カフスは、留め具一つにもスタイルを映し出す、奥深いアクセサリーです。 自分らしい一対を見つける楽しみも、カフスの醍醐味のひとつです。
カフスは、装いにさりげない品格と個性を添えるアクセサリーです。 ただし、上手に取り入れるためには、いくつか基本的なポイントを押さえておくと安心です。
ここでは、カフスをより自然に身に着けるためのステップを、シャツ選びから装着方法まで順を追ってご紹介します。
カフスを通じて、あなたの装いに一段上の品格を加えてみませんか。
カフスは、シャツの袖口に留め具を通して装着するアクセサリーです。 そのため、すべてのシャツに使えるわけではなく、カフスに適した仕様を持ったシャツを選ぶ必要があります。 ここでは、代表的なカフス対応シャツの種類と、それぞれの特徴をご紹介します。
袖口の両側にボタンホールがあり、カフスボタンでも、付属のボタンでも留められる設計のシャツです。 ビジネスシャツに多く採用されており、普段はボタン留め、特別な場面ではカフスボタンで装うなど、自由な使い分けができるのが特徴です。
カフスに初めて挑戦する方にも取り入れやすく、日常使いとフォーマル使いのバランスを取りたい方に適しています。
袖口を二重に折り返し、カフリンクス(カフスボタン)で留めるスタイルです。 もともとは17世紀のヨーロッパで貴族たちが好んだ装いに由来し、現在でもフォーマルスタイルの定番とされています。
ビジネスシーンではやや格式高い印象になりますが、結婚式やパーティーなど特別な場では、手元に格調と華やかさを添える最良の選択肢です。
袖口にボタンが縫い付けられた、一重仕立てのもっとも一般的なシャツスタイルです。 本来、シングルカフスはカフリンクスで留めるフォーマルな仕様として誕生しましたが、 現代では利便性を重視し、ボタン留め仕様が主流となっています。
そのため、通常市販されているシングルカフスシャツではカフスボタンは使用できません。 カフスを楽しみたい場合は、コンバーチブルカフス仕様のシャツを選ぶか、ボタンホールの追加加工が必要になります。
袖口を外側に折り返し、カフリンクスを使わずボタンで留めるシャツスタイルです。 本来の正式名称は「ターンバックカフス(Turnback Cuffs)」であり、シャツの袖先から内側に折り返す動きに由来します。 日本では「ターンナップカフス」と呼ばれることもありますが、正確にはズボンの裾を折り上げる「ターンアップ(Turn-up)」とは異なります。
このカフススタイルは、映画『007』シリーズでジェームズ・ボンドが着用していたことでも知られ、 カフリンクスなしでも手元に立体感と洒脱さを添えられるため、スマートなカジュアル・フォーマルスタイルを楽しみたい方に人気です。
カフスを使うには、 「袖口の両側にボタンホールが開いていること」 が基本条件です。
ボタンだけでなく、留め具が通るホールがあるかどうか、またホールの大きさが適切かを事前に確認しておきましょう。 また、フォーマル度合いやシーンに応じて、シャツの仕様(コンバーチブル・ダブル・ターンバックなど)を選ぶことが、装いをより洗練させるポイントになります。
カカフスの使い方は、基本的にはとてもシンプルです。 ただ、実際に装着した経験がないとイメージしづらいかもしれませんので、順を追ってわかりやすくご紹介します。
今回使用しているのは、手に入りやすいコンバーチブルカフス仕様のシャツです。 ダブルカフス(フレンチカフス)の場合でも、基本的な手順は変わりません。 折り返した袖口の4枚の生地をまとめて留める形になります。
使用したカフスはスウィヴル式ですが、チェーン式や固定式の場合も、基本的には留め具をそのままボタンホールに押し込むだけで装着できます。 ただし、留め具のサイズとボタンホールの大きさが合わないと、装着がスムーズにいかないことがあるため注意が必要です。
特にダブルカフスでは、生地が二重になるぶん厚みが増します。 留め具の長さが不足していると、きちんと留められないケースも考えられます。
さらに、カフスに大きなモチーフが付いている場合には、シャツに元から付いているボタンが干渉して邪魔に感じることもあります。 その際は、ボタンを取り外しておくと、カフスをより美しく装着できるでしょう。
長くなりましたが、 カフスは、日常的なスーツスタイルにも気軽に取り入れられる数少ないアクセサリーです。
シックにまとめるも良し、個性的なデザインを選んでアクセントにするも良し。 自分らしい一対を見つけることで、装いに深みと魅力が加わります。
日本ではまだカフス文化は広く浸透していませんが、 だからこそ、さりげない個性と洗練を演出するのにぴったりのアイテムと言えるでしょう。